私立大学等経常費補助金問題

 下らない大学に億単位で税金を投入して、一体誰のためになるのだろうか。(反語)

 私立の大学には、教育サービスや学習環境の改善のため私立大学等経常費補助金というものが給付される。運用は国ではないが、財源は国からだ。現在、平均して1校あたり5億ほど助成金を受け取っている。交付金は大きく二つに分けられる。一つは学生や職員の人数で決まる一般補助だ。もう一つは特色ある研究をしている大学やその他規定の事業に力を入れている大学に別途充てられる特別補助である。例えば先日ジャングルジムを燃やした学生が所属する大学なら、平成27年の交付額は約四億円だ。

 ここで一つ、簡潔に私の体験を書こうと思う。先日私は大学構内にあるベンチで昼食をとっていた。するとある男性二人がこう話しかけてきた。

「現在国が大学に出してくれている補助金は不十分で、このままでは学費を上げるか設備や授業の質を低下せざるを得ない状況です。今政府に対して助成金の交付額を引き上げて貰うために署名活動をしているので、よろしければご協力下さい。」

 とのことだ。話を聞けば彼らは私の大学の職員である。無論私としてもそれが叶えばそれに越したことはないので署名をしたわけだが、正直な意見として助成金を受けている大学全てが増加を実感できるレベルまで助成金額全体を増やすことは難しいだろう。一校あたり平均5億で、受給している大学は約500だ。相当な額を追加投入しなければ相対的な増加分は極めて低いものとなる。

 この問題の本質は国が出してくれる予算の低さではなく、その配分にある。前述の通り、ジャングルジムを燃やした例の大学には年額4億が払われている。私立大学等経常費補助金で調べると、他にも驚くような大学、俗な言い方をすれば「Fラン」と呼ばれる大学に信じがたい額が払われている事が分かるのだ。私が今回のブログで最初に述べた一文はこの事を指摘している事がお分かりいただけたかと思う。

 暴論との誹りを覚悟で言うが、そのような大学に通うというのは金をドブに捨ててるのと似たような話である。逆に言ってしまえば、ドブに捨てるだけの大金があるなら学費が今より高かろうが問題はないだろう。助成金を減らそうが切ろうが、元々行ったところで意味があるかも怪しい大学にどうしても行きたいなら行けばいいのだ。行かなくてもFラン卒が高卒になる程度で大差はない。

 もっとマシな使い方は幾らでもできる。補助金削減で浮いた部分をレベルの高い大学に回し、学費を抑えるなり研究環境をよりよくするなりした方が未来の日本のためにもなる。国公立大学なら私立より安い学費を更に大きく削れるかもしれないし、国からの研究費用が極めて少ないという問題もある程度解決出来るかもしれない。私立大学の学費も今よりは幾分か安くなるだろう。教員に対する給与アップは教育の質を上げることにもつながる。非常勤講師の待遇も改善出来る。

 実際に削減するならば、レベルの高い大学に合格する事を、親の収入などの外的要因に依らず可能にしなければ行けない。そのために給付奨学金の創設をし、成績優秀でありながら経済的に困難を抱える人物を手助けする事もできる。奨学生はそれを生活費に回しても良いし、塾の月謝を払って高校入試、大学入試のために勉強をするのも良い。いずれにせよその使途は今のように無駄遣い同然ではいけない。

 大学によっては学業が奮わずともスポーツにおいて優秀な成績を収めているところもある。そのような大学にはスポーツ振興として使途を限った助成金を出してもいいかもしれない。大学の部活を経てそのままプロの世界に入る人もいる以上、優秀な選手が良い環境で練習を出来るようにする事も有意義な使途の一つではなかろうか。

 このまま書き続けると異様に長いブログが出来上がってしまうので、不完全ではあるがこの辺で切りあげようと思う。まだまだここで書ききれていない、想像され得る批判とそれに対する反駁は多くある。何かあったらコメントしてほしい。